有害ダストのガラス固化無害化装置の開発
花山工業は20年以上前から公的資金を活用した産学官共同の技術開発を数多く実施しております。
2回目は「有害ダストのガラス固化無害化装置の開発」です。
有害ダストというと・・・
健康被害リスクが明らかにされるまで多用されていたアスベストが挙げられます。
発がん性問題が発覚して以来、アスベスト含有スレートは生産されていませんが、処理すべきアスベストの量は1000万トン近くあり、約90%がスレート用途に使用されておりました。これらスレートは一般廃棄物として廃棄ができません。
スレートの処理問題は繊維業界とは関係ありませんが、弊社は繊維以外の産業機械も製造しており、新技術の開発を実施しました。
プロセスの概要
アスベストを無害化する方法としてアスベストの融点(1521℃)以上の高温処理法があります。
本試験ではプラズマ放電を利用する方法で検討を実施しました。
この開発の結果
試験溶融炉にてアスベスト含有スレート粉末をガラス固化する事に成功。
また溶融物をX線回析測定したところアスベスト類は検出されませんでした。
今後の課題・展望
アスベスト含有スレートを無害化出来る事は確認できましたが、超高温に耐える大型装置の開発という課題が残りました。
本研究は福井県工業技術センターのご指導を得て実施しています。
また、無害化すれば廃棄処分が容易になるだけでなく、再利用が可能です。
今後、鉱物繊維同様、他の素材に配合して資材用途への展開が可能と考えております。