環境認証制度について(1)
近年、欧米を中心に環境問題や人権問題に関する規制が厳しくなっています。
これまでは、業界の枠組みの中で高品質の製品を安定生産するだけでビジネスが可能でした。
しかし、グローバル化時代においては環境対策、労働問題を「見える化」し説明責任を果たさないと通用しない社会環境になりつつあります。
若者を中心にエシカル(倫理的)消費が進んでいる昨今、世界各国で運用が始まっている4つの環境認証制度について解説します。
No. | 認証名 | 主な内容 |
1 | FSC認証 | 森林・林業及び森林生産物に関する認証 |
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2 | MSC認証 | 水産物に関する認証(生産、養殖、流通 各段階にて) |
3 | GAP認証 | GAP運用農場で生産された農産物に関する認証 |
4 | GOTS認証 | オーガニックテキスタイル素材に関する認証 |
FSC認証とは(Forest Stewardship Councilの略)
環境や地域社会との共生に責任をもって管理された森林から伐採された木材であることを証明する認証。
認証林の面積は、全世界で2億ヘクタールを超え、世界の森林の約5%を占めています。
ドイツや英国では認知度が70%と高いのに対し、日本では18%と非常に低いのが現状です。
東京オリンピックの建築物には森林認証が要求されていると言われています。
国内における更なる認知度向上が課題です。
FSC認証の流れ
繊維素材としては、パルプを原料としたトリアセテート繊維が森林認証を取得しています。
又、トリアセテート繊維の染色整理加工は殆どが北陸産地で行われています。
トリアセテート繊維