環境対策「ZDHC」
環境対策「ZDHC」とは
ZDHC(Zero Discharge of Hazardous Chemicals)とは繊維製品及び靴製品製造時の化学物質の適正管理を行なうことを目的とした取り組みです。直訳すると「危険化学物質ゼロ」となります。
欧米の大手アパレル企業を中心に活動が行われていますが、アジア地域はもとより全世界に広まりつつあります。
この活動が始まったのは、2011年7月にグリーンピースが行ったデトックスキャンペーンに起因します。
グリーンピースは、世界大手アパレルメーカーの繊維製品や靴製品を生産しているアジアの加工場廃水より大量の有害物質が検出されたことを世界に向けて発信しました。
このキャンペーンを受けて同年11月にアパレルブランド6社は2020年までに有害物質排出をゼロとする最初のロードマップを発表しました。
その後この活動に賛同するアパレルや関連企業が増加しています。
「ZDHC」の現状
1. 団体正式名称は、ZDHC Roadmap to Zero Programme である。
2.運営:2011年に発足。The ZDHC Foundationが運営
3. 本部:オランダ・アムステルダム。
4. 目的:繊維製品及び靴製品製造時の化学物質の適正管理を行う
5. 加盟企業:世界的なアパレルブランドメーカー、サプライチェーンに関わる企業、検査機関が加盟 (合計125社 2019年3月末現在)
加盟アパレル:アディダス、ナイキ、プーマ、H&M,ニューバランス etc
( 引用:ZDHC HP)
公開されている製造時使用制限物質リスト
MRSL:Manufacturing Restricted Substances List,(2015.12.)
・Alkylphenol (AP) and Alkylphenol Ethoxylates (APEOs)
• Chlorobenzenes & Chlorotoluenes
• Chlorophenols • Dyes – Azo (Forming Restricted Amines)
• Dyes – Navy Blue Colorant
• Dyes – Carcinogenic or Equivalent Concern
• Dyes – Disperse (Sensitizing)
• Flame Retardants
• Glycols
• Halogenated Solvents
• Organotin Compounds
• Polycyclic Aromatic Hydrocarbons (PAHs)
• Perfluorinated and Polyfluorinated Chemicals (PFCs)
• Phthalates – including all other esters of ortho-phthalic acid
• Total Heavy Metals • Volatile Organic Compounds (VOC)
上記化合物の中には、これまでよく使用していた化合物も含まれているので注意が必要です。
当社の取り組み
まもなく2020年です。
地球温暖化や海洋プラスチック汚染など環境問題が大きくとり挙げられた一年でした。
繊維加工場から排出される大量の廃水や有害物質にも対策が必要です。
国内には大手アパレル向け製品を大量生産する加工場はなくZDHC加盟企業も2社のみですが、加盟企業でなくてもZDHC基準の安全性、環境対策を求める企業も出始めています。
国内繊維業界はこれまで以上に安全性対策を強化し国産品をアピールしていくべきと考えています。