2019年の繊維機械生産額は大幅ダウン
2019年の繊維機械生産額は 1,736億円と前年比で25.5%の大幅ダウンとなりました。
化学繊維機械や紡績機械は前年比を上回ったが、他の機種はすべて低下。
特に編組織機械が前年比38.7%と大幅ダウンとなりました。
内需(国内生産額+輸入額―輸出額)の推移をみると、Fig(2)のように2019年は大幅なマイナスです。
要因としては繊維製品の輸入が依然として増加傾向にあることや、生産の海外シフトが継続されていることが考えられます。
Fig(1)繊維機械生産額推移
Fig(2)繊維機械内需の推移 (生産額+輸入額-輸出額)
今後の展望
昨年は内需が厳しい状況であると報告をしましたが、中国の19年繊維機械輸入統計をみると、日本からの輸入額が1位でした。要因は2月に報告した様に化繊機械が大幅に伸びた為です。
今年は新型コロナウイルス感染の影響で、中国の日系企業は駐在員や現地従業員の確保で大変苦労されたようですが、華東地区日系企業のアンケート結果によれば、3月初めには7割の企業が70%戻ったと回答しています。
この度の騒動で国内生産に回帰する企業が増えそうとの報道もありますが、繊維に関しては海外シフトが継続されると推測しています。よって、今後も繊維機械メーカーは海外企業が生産できない装置を開発・生産し、グローバル展開を推進していく事が望まれると考えております。