福井県の繊維生産量推移
2019年の織物生産量は2億1579万㎡とこの5年間では最高の生産量となりました。
北陸3県合計でも5億3127万㎡(前年比7.2%増)と高い伸びを示しました。
特に増加した織物がポリエステル長繊維織物です。高度な生産技術を背景に北陸産地で生産された高密度織物が世界的に評価された結果と考えています。
一方、染色整理加工数量は4億454万㎡(前年比2.3%減)と9年ぶりに5億㎡を下回る結果に。織物は1%の減少にとどまりましたが、ニットが6.2%と大きくダウンしました。それでも国内トップシェアを維持できているのは、各企業が時代の変化に即応して業態を変化させているためと推測します。
Fig(1)福井県の織物生産量推移
(引用:福井県生産動態統計)
Fig(2)福井県の染色整理加工量推移
(引用:福井県生産動態統計)
Fig(3) 染色加工数量の国内シェア(2017)
(出所:経産省統計、各県統計)
今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、展示会やイベントが世界規模で中止や延期を余儀なくされています。
先が読めない中、企業は設備投資等に慎重にならざるを得ませんが、厳しいときでも常に将来を見据え、技術革新、設備投資、人材育成に取り組む企業もあります。これまで何度も苦境を乗り越えてきた北陸産地の企業にとって、自社の強みを更に磨いていくことが産地の強みに繋がっていくと考え、オンリーワン企業の精神が、これからも引き継がれていくことに期待しています。