最近の国内繊維業界
繊維製品の輸出入統計資料等を参考に国内の業界事情に関して調査を行いました。
新型コロナ禍以降、国内生産回帰が望まれましたが、現実には海外生産が進行し、マーケットは縮小傾向にあると思われます。
(引用:日本繊維輸入組合統計資料)
(引用:総務省 家計調査)
(引用:経産省:商業動態統計調査)
(引用:HIS Markit, Ltd.「Global Trade Atlas」2021)
新型コロナ禍以降、国内生産回帰が望まれましたが、現実には海外生産が進行し、マーケットは縮小傾向にあると思われます。
アパレルの国内供給点数推移
供給量は約30年間で1.8倍の約37億点まで増加し供給過剰状態と推測される。(引用:日本繊維輸入組合統計資料)
衣服一枚当たりの価格推移
常に人件費の安い国への生産シフトが進み単価は下がり続けている。(引用:総務省 家計調査)
衣料品等の国内市場規模推移
働き方改革や消費者マインドの変化等もあり1990年以降縮小傾向が続いている。(引用:経産省:商業動態統計調査)
各国の繊維製品輸出内訳(2021年)
日本は生地、不織布、炭素繊維の比率が高く、製品(衣料品)の比率は少ない。(引用:HIS Markit, Ltd.「Global Trade Atlas」2021)
衣料品等の国内市場規模推移
国内の衣料品市場は今後、適正在庫管理、適正価格販売へ移り変わると思いますが、産業資材分野、医療分野など繊維素材の応用分野はまだまだあります。また衣料品も世界的には成長分野です。これからは川上企業(原糸・素材開発)と川中企業(染色、機能加工)が協力し、サステナブルな製品の世界展開が望まれます。既に従来の合繊素材に変わる新素材も開発されつつあり、環境素材分野でも世界の最先端を行く日本の繊維産業に成長して欲しいと期待します。