染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
化学繊維のミル消費量
日本化学繊維協会より、2023年度化学繊維ミル消費量調査結果が発表されたので概要を紹介します。 ミル消費量とは、糸・わたメーカーの国内生産(出荷)から輸出量を除き、海外からの糸・わた輸入量を加えたものです。 23年度のミル消費量は、前年比4.0%減の77.3万トンと2000年以降最低となりました。ミル消費量が80万トンを下回ったのは2000年以降3回目で、過去最低だった2020年に比べても2.3%減。 用途別にみると衣料品12.4万トン(11.0%減)、家庭・インテリア用は39.7万トン(3.4%減)、産業資材は25.2万トン(1.2%減)と衣料品の減少が目立ちます。 衣料用:家・インテリア用:産資用の比率は、2000年に34:40:26であったものが2023年は16:51:33となり、衣料用が半分に低下した半面、非衣料分野が増加しました。 政府は2040年目標として「資源循環システムの構築」と「適量生産・適量消費の達成」を掲げており、消費の形態は少しずつ変わっていくと推測します。
繊維ミル消費量の推移

(引用:日本化繊協会統計)
化繊の生産・輸入・輸出量推移
表(2)に示すように2023年は生産、輸出、輸入のすべてが減少し、中でも生産、輸出の数量減が顕著でした。
(2) 2023年の化学繊維の生産、輸入、輸出量
2020年暦年
(千ton)
2021年暦年
(千ton)
2022年暦年
(千ton)
2023年暦年
(千ton)
前年比(%)
化繊生産 705 749 737 675 ▲8.4%
化繊輸出 254 271 258 241 ▲6.9%
化繊輸入 234 266 281 278 ▲1.0%

(引用:日本化繊協会統計)
4大合成繊維のミル消費量推移

(引用:日本化繊協会統計)

2008年以降の約15年で主要合繊のミル消費量は24%減少し、中でもアクリルは60%、ナイロンは38%減少しました。 ポリエステルFも27%の減で、6%減と減少幅が最も少ないのはポリエステルSです。 グラフには記載していませんが唯一増加している素材が長繊維不織布。2008年比で29%増加し消費量は2016年以降ポリエステルFより多くなっています。