北陸地区の繊維産業(1)
北陸地区の繊維産業の歴史
北陸地区の繊維産業は、明治時代に絹織物産地としてスタートしました。
人絹、合繊へと時代の変化に敏感に対応しながら素材開発に積極的に取り組み、今や世界有数の合繊織物産地に成長。
当社の繊維産業用装置も、加工内容、生産基地の変化に伴い、製品内容が変わってきています。
北陸産地は、1970年代にジョーゼットブームで生産・輸出を伸ばしましたが、1980年代に入ると国際環境が激変してしまいます。1985年のプラザ合意を契機として、円・ドルレートが230円台から120円台に急上昇し、国内繊維の競争力は急速に低下してしまったのです。
しかし、1990年代に入り新合繊が開発されると、北陸産地はこれまでの加工技術力を発揮し、新合繊ブームを巻き起こします。
当社のボイルオフ精練機や減量加工機の生産量がピークに達した時期です。
繊維工業・事業所数の推移
(資料:「工業統計調査」)
(注)1970,1980年は全事業所、1990年以降は4人以上の事業所)
当社のボイルオフ精練機販売台数にみる新合繊ブームの推移
1993年に入り新合繊ブームが終わりを告げると、北陸産地では再び廃業が増加しました。
1996年にかけて操業工場数・稼働織機台数は約35%も減少。
しかし北陸の繊維関連企業は、新たな合繊産地をめざし、非衣料分野を中心に更なる独自性の追求を始めていました。(続)