北陸地区の繊維産業(2)
北陸地区の繊維産業の歴史 2000年代
2000年代になると中国の繊維産業が川上から川下に至るまで量的拡大を武器に世界を席巻し始めます。
そして、日本以外のアジア諸国も大きな打撃を受ける状況となりました。
そんな中、織、編み、準備工程、染色加工の機能が集積した北陸産地は、企業間の連携を強めながら従来とは違った形で素材開発、成長分野の開拓に邁進していきます。
日本の化学繊維ミル消費量の推移
国内の化繊ミル消費量が下図のように衣料から非衣料分野へのシフトが鮮明になりました。
それと同時に、北陸産地の加工も非衣料素材を中心に差別化商品の加工量が増加していきました。
(資料:日本化学繊維協会)
2016年チェーンストア57社(9500店舗)の衣料品販売は1兆1118億円で前年比5.2%減。
家具・インテリアは1.9%増。
繊維工業の製品出荷額等の推移
その結果、この50年で事業所数は約1/10に減少しましたが、製品出荷額はそれほど大幅に低下しておらず、最近では上向き傾向に転じつつあります。
これは他地域では真似のできない合繊の織、編み、染色加工技術が融合された結果と推測しています。(続)
(資料:一般財団法人北陸経済研究所)