ファイバーフラグメント(FF)の測定法
衣類の洗濯により発生する繊維屑(Fiber Fragment)が河川や海洋に流出し、世界的な問題になっていることを2022年5月、6月号に掲載しました。
北極海で大量の繊維屑が検出されたとの報告は欧米に大きな衝撃を与えるものでした。
主な原因は洗濯機から排出される繊維屑(特に合繊)との指摘により、欧米や日本が協力して繊維屑の測定方法を検討した結果、今年5月に国際規格 ISO 4484-3 「繊維製品の洗濯時に発生する繊維屑測定方法」が制定されました。今回はその内容を簡単に紹介します。
【試料調整】規定枚数の試料を標準状態(温度20℃、RH65%)で調湿し重量測定。
【洗濯処理】ISO6330に準ずる洗濯機の排水口にフィルターバックを装着し、製品のケア
ラベルに従い洗濯を1回実施。製品を取り出し2回空洗浄後、フィルターバッグ*を回収する。
(*フィルターバック:目開き 10±4μmのナイロン製捕集袋)
【計 量】フィルターバックで捕集した繊維屑を105℃で乾燥後、標準状態で調湿し、重量を測定する。
【計 算】・製品1着当たりの繊維屑脱落量 (mg/着)
・製品1kg当たりの繊維屑脱落量 (mg/kg)
【備 考】・通常、洗剤は使用しない
・結果の基準がないので、通常品との相対比較で判断
この度、国際的な試験方法が制定された事で、これからは製品評価が進むと思われます。
ただし基準が決まっていないことで、各社の評価の違いが表面化しないか懸念も。
欧米ではすでに繊維屑の流出防止対策の一つとして写真のような洗濯ネットの使用も始まっているそうです。
日本もどのような対策が効果的か早急に検討する必要があります。
国際規格 ISO 4484-3はアパレル製品の評価方法です。
素材開発段階で繊維屑を評価する方法ではAATCC TM212-2021(ラウンダオメーター使用)による評価が効果的だと考えられます。
国内では既に繊維屑発生の少ない合繊素材が開発されており、今後の展開に期待しています。
北極海で大量の繊維屑が検出されたとの報告は欧米に大きな衝撃を与えるものでした。
主な原因は洗濯機から排出される繊維屑(特に合繊)との指摘により、欧米や日本が協力して繊維屑の測定方法を検討した結果、今年5月に国際規格 ISO 4484-3 「繊維製品の洗濯時に発生する繊維屑測定方法」が制定されました。今回はその内容を簡単に紹介します。
ISO 4484-3の概要
【対 象】製品(家庭洗濯可能な衣類全般、毛布、敷物、カーテンなど)【試料調整】規定枚数の試料を標準状態(温度20℃、RH65%)で調湿し重量測定。
【洗濯処理】ISO6330に準ずる洗濯機の排水口にフィルターバックを装着し、製品のケア
ラベルに従い洗濯を1回実施。製品を取り出し2回空洗浄後、フィルターバッグ*を回収する。
(*フィルターバック:目開き 10±4μmのナイロン製捕集袋)
【計 量】フィルターバックで捕集した繊維屑を105℃で乾燥後、標準状態で調湿し、重量を測定する。
【計 算】・製品1着当たりの繊維屑脱落量 (mg/着)
・製品1kg当たりの繊維屑脱落量 (mg/kg)
【備 考】・通常、洗剤は使用しない
・結果の基準がないので、通常品との相対比較で判断
ファイバーフラグメント対策の今後
この度、国際的な試験方法が制定された事で、これからは製品評価が進むと思われます。
ただし基準が決まっていないことで、各社の評価の違いが表面化しないか懸念も。
欧米ではすでに繊維屑の流出防止対策の一つとして写真のような洗濯ネットの使用も始まっているそうです。
日本もどのような対策が効果的か早急に検討する必要があります。
国際規格 ISO 4484-3はアパレル製品の評価方法です。
素材開発段階で繊維屑を評価する方法ではAATCC TM212-2021(ラウンダオメーター使用)による評価が効果的だと考えられます。
国内では既に繊維屑発生の少ない合繊素材が開発されており、今後の展開に期待しています。