化学繊維のミル消費量
日本化学繊維協会より、2022年度化学繊維ミル消費量の調査結果が発表されました。
ミル消費量とは、糸・わたメーカーの国内生産(出荷)から輸出量を除き、海外からの糸・わた輸入量を加えたものです。 22年度のミル消費量は、前年比1.6%減の80.6万トンと2年ぶりの減少となりました。 ミル消費量が90万トンを下回ったのはこれで4年連続。用途別では衣料品14,0万トン(0.4%増)、家庭・インテリア用は41.1万トン(2.3%減)、産業資材は25.5万トン(1.4%減)と前年度と大きな変化は見られませんでした。 衣料用:家・インテリア用:産資用の比率は、2000年が34:40:26であったものが22年は17:51:32となり、衣料用が半分に低下した半面、非衣料分野が共に増加しました。
(引用:日本化繊協会統計)
(2) 2022年の化学繊維の生産、輸入、輸出量
(引用:日本化繊協会統計)
(単位:千ton) (引用:日本化繊協会統計)
ミル消費量は2019年以降急速に減少に転じています。特に新型コロナの影響が発生した2020~2022年の3年間は統計をとり始めた2000年以降最低の水準です。2019年以降は4大合繊のみならず最大消費量の長繊維不織布はじめすべてが減少傾向にあることから、今後のミル消費量の急拡大は厳しいと推測されます。これからは世界的にリサイクル素材が増加すると共にアパレル製品に対する価値観にも変化が出てくると思われます。この変化をビジネスチャンスと捉え、国内外の需要拡大に繋げていくことが今後の課題です。
ミル消費量とは、糸・わたメーカーの国内生産(出荷)から輸出量を除き、海外からの糸・わた輸入量を加えたものです。 22年度のミル消費量は、前年比1.6%減の80.6万トンと2年ぶりの減少となりました。 ミル消費量が90万トンを下回ったのはこれで4年連続。用途別では衣料品14,0万トン(0.4%増)、家庭・インテリア用は41.1万トン(2.3%減)、産業資材は25.5万トン(1.4%減)と前年度と大きな変化は見られませんでした。 衣料用:家・インテリア用:産資用の比率は、2000年が34:40:26であったものが22年は17:51:32となり、衣料用が半分に低下した半面、非衣料分野が共に増加しました。
繊維ミル消費量の推移
(引用:日本化繊協会統計)
化繊の生産・輸入・輸出量推移
表(2)に示すように22年は前年と異なり輸入は伸びたが生産及び輸出は減少。
国内の消費は回復傾向にありますが欧米の景気回復が遅れている影響で輸出が伸び悩んだと推測されます。(2) 2022年の化学繊維の生産、輸入、輸出量
2020年暦年(千ton) | 2021年暦年(千ton) | 2022年暦年(千ton) | 前年比(%) | |
化繊生産 | 705 | 749 | 737 | ▲1.7% |
化繊輸出 | 254 | 271 | 258 | ▲4.8% |
化繊輸入 | 234 | 266 | 281 | +5.6% |
(引用:日本化繊協会統計)
4大合成繊維のミル消費量推移
2008年からの約15年で主要合繊のミル消費量は22%減少したが、特にアクリルは50%、ナイロンは30%減少。
国産アクリルメーカーは昨年1社が撤退し残り2社となりました。
2社は独自製品の特徴を生かし、これからも成長を続けるものと期待します。2008 | 2011 | 2014 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
ナイロンF | 99 | 102 | 94 | 85 | 85 | 74 | 57 | 66 | 70 |
ポリエステルF | 240 | 247 | 219 | 211 | 210 | 197 | 156 | 187 | 185 |
ポリエステルS | 161 | 162 | 168 | 172 | 176 | 163 | 153 | 151 | 144 |
アクリルS | 22 | 20 | 14 | 9 | 9 | 9 | 8 | 10 | 11 |
合計 | 523 | 532 | 495 | 477 | 488 | 443 | 375 | 414 | 409 |
全ミル消費量に占める比率 | 63% | 60% | 56% | 50% | 50% | 50% | 47% | 51% | 51% |
(単位:千ton) (引用:日本化繊協会統計)
ミル消費量は2019年以降急速に減少に転じています。特に新型コロナの影響が発生した2020~2022年の3年間は統計をとり始めた2000年以降最低の水準です。2019年以降は4大合繊のみならず最大消費量の長繊維不織布はじめすべてが減少傾向にあることから、今後のミル消費量の急拡大は厳しいと推測されます。これからは世界的にリサイクル素材が増加すると共にアパレル製品に対する価値観にも変化が出てくると思われます。この変化をビジネスチャンスと捉え、国内外の需要拡大に繋げていくことが今後の課題です。