福井県の繊維生産量統計2023
2023年(1~12月)の織物生産量及び染色整理加工数量統計を紹介します。2019年に発生した新型コロナ禍の影響で2020年はいずれも大幅に生産量がダウンしましたが、ニットの染色整理加工量は2019年並みに戻っています。しかし、織物の染色整理加工量や生産量は未だに回復せず、2019年に比べ17%から27%減で推移しています。2024年は元日に能登半島地震が発生し繊維業界に大きな影響が懸念されたが、3月に入り復旧が進んでいるそうです。
表1.生産量実数 (単位:千㎡)
(引用:福井県産業動態調査)
表2.生産量実数(全国規模) (単位:千㎡)
(引用:経産業省繊維統計、編集:日本染色協会)
引用:井上リボン工業(株)HP
2019年を100とした時の生産量推移(福井県)
表1.生産量実数 (単位:千㎡)
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
織物生産 | 215,792 | 171,679 | 166,817 | 165,983 | 155,382 |
織物染色加工 | 349,708 | 276,381 | 275,442 | 295,634 | 290,098 |
ニット染色加工 | 123,475 | 98,921 | 113,954 | 124,116 | 124,504 |
(引用:福井県産業動態調査)
2019年を100とした時の生産量推移(全国規模)
表2.生産量実数(全国規模) (単位:千㎡)
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
織物染色加工 | 1,361,079 | 1,167,159 | 1,175,943 | 1,164,538 | 1,158,783 |
ニット染色加工 | 401,520 | 347,117 | 378,863 | 387,946 | 389,323 |
(引用:経産業省繊維統計、編集:日本染色協会)
今後の国内繊維業界に求められること
日本染色協会がまとめた統計資料(染色整理加工量)と福井県の統計資料を比べると、織物・ニット共によく似た傾向で、織物染色整理加工量の回復が遅れています。
2023年アパレル輸入統計(日本繊維輸入組合)によれば、2023年(1-12月)のアパレル輸入額は前年比1.3%増の 3.4兆円とアセアン地域(ベトナムやミャンマー)からの輸入が増加しており、海外生産シフトは相変わらず進んでいると思われます。
国内の繊維業界は今まで以上に分業体制の利点を生かし、高付加価値製品の開発を推進し、欧米向けを中心とした輸出拡大や産業資材分野の用途拡大を図っていくことが必要です。引用:井上リボン工業(株)HP