染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
自動車内装材市場
繊維素材が使用される産業資材分野で中核となるのが自動車内装材です。中でも日本企業が得意とするのは、カーシート、エアバッグ、不織布素材等。シート材やエアバッグは北陸産地が得意とする合成繊維を使用しており、産地には生産を担う企業が多くあります。世界の自動車生産はガソリン車からPHEV車、EV車に変化しながら増加傾向にあり、それに伴い内装材市場も拡大が期待されます。ここでは車両用不織布及びエアバッグの生産量推移について紹介します。
世界の4輪自家用車の生産量推移

・世界の4輪自家用車生産量はこの2年で19%伸び、全4輪車生産量の73%を占める。
車両用不織布の国内生産量推移

・2023年の国内不織布総生産は前年比8%減と厳しい状況であったが、車両用不織布は4万2千トンと前年比8.8%増加した。これは2023年の4輪車生産が14.8%増加した影響と考える。
エアバッグモジュール生産量推移(1~11月)

・エアバッグ基布の生産量は把握が困難なため、エアバッグモジュール生産量で推移をみると新型コロナ発生前の数量には戻っていないが、この2年で16%伸びている。エアバッグはシビアな性能と品質が求められるだけに日本の繊維技術が生かされる分野である。新興国での採用増や装着個所数の増加などで今後も需要増が期待できる。
得意を活かしつつ更なる高みへ

(本文の内容とは関係ありません)  
国内衣料品の98.5%が輸入製品である中、自動車内装材は殆ど国産品が採用されています。内装材に携わる企業は海外進出も積極的に行っており、北米、欧州、東南アジア、そして最近はインド進出が目立ちます。人件費の格差で産地が変わる衣料品と異なり企画力、品質、納期等が厳しい自動車内装材は日本が得意とする分野です。しかしグローバル競争で優位に立つには性能や品質は維持した状態で、環境配慮型(リサイクル材の利用)素材への転換が急務であり、更にレベルアップした製品の開発が望まれます。